もうすぐ2018FIFAワールドカップロシア大会が開幕します!
この時期になると、グループリーグの日程を確認して観戦予定を組んでいるだけでも気持ちが盛り上がってきますよね。
このグループはここが勝ち上がるだろうなとか、今回は死のグループと呼べるところは無さそうだなとか、このグループはまったく予想できないなと試合結果を予想するのも、この時期ならではの楽しみ方です。
でも、何かが足りません。
日本代表への期待感?
それもあるのですが、他にも何かが足りないような気がするのです。
そうだ、イタリア代表がいないからだ。
私はセリエAフェチですので、W杯でもユーロでもイタリア代表を応援してきました。
セリエはオワコンだと言われようが、イタリアの試合はつまらないと言われようが関係ありません。
もう、イタリア代表が好きでたまらないのです。
ですので、今回、イタリア代表が出場を逃してしまったのは本当に本当にショックでした。
本番直前に意味不明な監督交代をするような代表チームよりもイタリア代表を・・・(以下、自粛)
というわけで、今回はイタリア代表が輝いていた頃を懐かしむために
優勝を飾った2006年W杯のイタリア代表を再現します!
目次
■2006年のイタリア代表とは
この大会のイタリア代表チームを率いていたのは「マルチェロ・リッピ監督」です。
世界最強リーグと呼ばれていた頃のセリエAでユヴェントスを何度も優勝に導いてきた、イタリアきっての名監督ですね。
そして、このときのイタリア代表のメンバーがこちらです。
凄いメンバーが揃っています。
ブッフォン、カンナヴァーロ、ネスタという世界屈指の守備陣にサイドバックは攻撃が持ち味のザンブロッタ、グロッソ、司令塔のピルロを軸とした中盤はガットゥーゾ、カモラネージ、ペロッタという運動量が半端ないダイナモ系で支え、遅咲きながら勢いに乗りまくっていたトーニ、そしてトッティと歴代屈指のメンバーです。
控えにもデル・ピエロ、デ・ロッシ、ジラルディーノ、インザーギ、バルザーリ、ヤクインタと名前を並べているだけでも豪華すぎる超ワールドクラスのメンバーが揃っていました。
何度もW杯に出場している経験豊富で脂が乗りきったベテラン組に勢いのある若手を融合させた、どのポジションにも穴のないチーム。
言うなれば、ウイイレのマスターリーグで好き勝手に集めたチームと遜色ないようなチーム、それが当時のイタリア代表だったのです。
この最強メンバーで優勝候補の宿敵ドイツ、決勝ではジダンを擁するフランスを破り1982年スペイン大会以来、4度目の世界一に輝きました。
ちなみに、有名なジダンの一発退場劇はこの大会の決勝での出来事です。
リッピ監督の戦術的特徴
イタリア代表といえば伝統的に「カテナチオ」と呼ばれる堅い守備戦術のチームというのが一般的なイメージですよね。
守備を固めてからのカウンター、先制したら徹底して守り抜く試合運びは好みが分かれるところではありますが、私はそんなイタリア代表が大好きでした。
しかし、リッピ監督が就任した頃からは「カテナチオからの脱却」を掲げて、攻撃的なチーム作りを目指すという話題が目につくようになりました。
リッピ監督のインタビュー記事でも「どんな相手に対しても3人のアタッカーをピッチに送る」と宣言していましたからね。
そんなイタリア代表の記事を読む度に「イタリア代表が攻撃的サッカー?」と半信半疑にもなりましたが、ピルロをアンカーに置いた通称「ピルロシステム」を採用したりと、イタリア代表が変革しようとしている雰囲気はなんとなく伝わってきました。
そして迎えたワールドカップ本番。
イタリア代表の戦いぶりはどうだったかと言うと・・・
やっぱりイタリア代表はイタリア代表でした。(いい意味で)
決勝トーナメントでは、それまでの4-3-1-2を封印して、守備のバランスが取りやすい4-4-1-1(4-4-2)に変更してきたリッピ監督。
やはり、リッピ監督が攻守のバランスを崩すようなことをするわけもなく、あくまでも堅い守備を前提とした「バランス重視の攻撃的サッカー」
言い方を変えると
カルチョ的な試合運びの大人のサッカー
が展開されていました。
4-4-1-1システム
準々決勝ウクライナ戦からイタリア代表が採用した4-4-1-1(4-4-2)システム。
4-4のブロックでサイドを広くカバーできる安定した守備を作りやすいシステムといえますね。
でも、タブルボランチにピルロを置くのは守備の面ではどうなのかなとも思っていました。
ミランでのピルロシステムは、3センターにして脇をガットゥーゾとセードルフが固めることで機能していると言われていましたからね。
ただ、バランス重視のリッピ監督ですので、そんなことは折込済みでした。
中盤の両翼に運動量と守備力の計算ができるカモラネージとペロッタ、ボランチの相棒にガットゥーゾというダイナモ系の代表格を並べることでピルロの攻撃力を引き出せていたという印象があります。
「カテナチオからの脱却」はどこにいったのと思いましたが、一発勝負のトーナメントでは、この判断が功を奏したことは間違いありません。
というわけで、システムは4-4-1-1にします。
リッピ・イタリア代表の攻撃戦術
それまでのイタリア代表といえば、守備を重視するあまり、攻撃に人数をかけない個の力に頼った攻撃というイメージがありました。
連携からの崩しよりも、まずは相手の長所を潰すことが第一優先。
ポゼッションなんて無駄なことには目もくれず、スペースを消して相手を自由にさせないサッカーこそがイタリア代表の醍醐味でもありました。
でも、リッピのイタリア代表は少し印象が異なります。
決して攻撃的なスタイルに振り切っているわけではないのですが、相手を潰すだけの受け身に徹することもなく、ポゼッションを高めて主導権を握るような試合展開が多かったのです。
イタリア代表といえば、ボールを奪ったらカウンターというイメージでしたので、このときの試合ぶりは新鮮でしたね。
でも、ポゼッションが高いといってもバルセロナのような華麗な崩しがあるわけではありません。
人数とリスクをかけて敵陣深くまで攻め上がるような場面は少なく、自陣エリアでのパスでボールと試合を支配する
時間を止めるような展開、膠着した状態が続くのです。
このような試合を好むか好まないかは、それぞれのサッカー観によるかと思います。
ドイツ戦を一緒に観ていた友人は「つまらない試合だった」と言っていましたが、私はこのバランス重視の展開こそリッピ監督らしさ。
そして、ボールを支配して相手の長所を潰す展開こそカルチョらしさだと感じましたね。
■戦術、戦術オプションの設定
というわけで戦術設定はこのようにしました。
戦術 | |
---|---|
攻撃タイプ | ポゼッション |
ビルドアップ | ショートパス |
攻撃エリア | サイド |
守備タイプ | フォアチェック |
プレッシング | セーフティー |
攻守レベル | 守備的1~パーク・ザ・バス |
戦術オプション | |
---|---|
ポジショニング | フォーメーション重視 |
サポート距離 | 普通 |
攻撃人数 | 普通 |
追い込みエリア | サイド |
ディフェンスラインの高さ | 低い |
コンパクトネス | 狭い |
守備人数 | 多い |
オフサイドトラップ | OFF |
いたって普通の設定となりますね。
毎回、戦術再現の記事を更新するときは「最低でもひとつは新しい試みをする」ことを心掛けているのですが・・・
今回は何もありません。
「ディフェンスライン:低い」「フォアチェック」「コンパクトネス:狭い」「攻守レベル:守備的」にすることにより、
・少し低めの位置にコンパクトな4-4ブロックを作る
「フォーメーション重視」「サポート距離:普通」「攻撃人数:普通」「ショートパスのポゼッション」にして
・バランスを崩さないポゼッション重視の攻撃を作る
この2点だけを目指した設定となりました。
イタリア代表の戦術再現まとめ
今回の記事は見所が少なかったかもしれません。
バランス重視のサッカーをウイクラで作るということは「特筆すべきことが何もない」ということになるのだと途中で気付きました。
でも、個人的にはとても満足しています。
守備を重視してガチガチに守るわけでもなく、攻撃に特化して攻めまくるのでもなく、バランス重視のシンプルな試合展開でも楽しめるということは
ウイクラがしっかりとしたゲームであることの証しだと思うのです。
マンチーニ監督の就任が決まった新生イタリア代表。
タレントを引き出すことには定評のあるマンチーニですので、現在のイタリア代表ではどうなんだろうとも思いますが、なんだかんだ結果は出し続けている監督ですので、今後のイタリア代表に期待したいですね。
イタリア代表は出ませんが、目前に迫ったワールドカップが楽しみです♪
今回の試合動画
相手との戦力差は19
試合終了直前になんとか決勝ゴールを決めることが出来ました(^o^)

コメント
初めまして、ウイクラの戦術を調べていてたどり着きました。非常に興味深い記事ばかりで楽しませてもらっています。私自身もセリエ、イタリアのサッカーが大好きです。統率の取れたディフェンスラインを見ているとぞくぞくするタイプです。少々欲張りですが、可能であれば、アッレグリのミラン(アンカーがファン・ボメルの時の)やシメオネのアトレチコ、ブラジルワールドカップのコスタリカなどの再現を見てみたいです。
>>ミラニスタさん
はじめまして!
セリエ好きの方に読んでいただけて、とても光栄です⚽️
今はベンゲルの記事を作成中(苦戦中)で次にシメオネに取りかかる予定です♪
アッレグリはいつかやりたいと思っていました⚽️
あの頃のノチェリーノが大好きでしたので気合いを入れて取り組みます!
これからもよろしくお願い致します
長谷川健太監督の戦術をお願いしたのですが、私は激しいプレスが好きなので
ガットゥーゾがいた頃のゾーンプレスを研究してください。
無理なお願いなのは分かっています。でも自分では、できないのです。
お願いしてもよろしいでしょうか。
>>ジャイアントキリングさん
いえいえ全然大丈夫です!
ただ、最近ちょっと忙しくなってしまったので少しお時間をいただければと思います(^o^)
ちなみにガットゥーゾがいた頃というのはミランでしょうか?
はいミランにガットゥーゾがいた頃です。
やっていただけるのであればいつでも待ちます。