サッカー監督の中でも戦術家と呼ばれる名将達の戦術をウイニングイレブンクラブマネージャー(通称ウイクラ)で再現するという無謀な企画第4弾!
今回は、私が試してきたウイクラ戦術の中でも勝率が高めのお気に入りの戦術となります。
ちなみに、この戦術を使っていたときは毎シーズンランクアップすることが出来ました。
ですので「なかなかランクアップ出来ないな」「勝ちやすい戦術設定はないかな」という方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
監督の名前は「ロジャー・シュミット」
数年前、インテンシティの高い常識破りの超攻撃的サッカーで話題となった新進気鋭の戦術家となります。
ロジャー・シュミット監督がレッドブル・ザルツブルク、レヴァークーゼンで繰り広げた最新型サッカー
通称「パワーフットボール」の再現を今回は目指していきます!
目次
ロジャー・シュミットとは
ロジャー・シュミットの名前を広くサッカー界に知らしめたのは、レッドブル・ザルツブルク時代のある親善試合からでした。
対戦相手はグアルディオラ率いる常勝集団バイエルン。
ザルツブルクホームでの試合とはいえ、いかんせん戦力差は歴然としており、バイエルンの完勝を誰もが予想していたはずです。
しかし、結果は3-0でレッドブルザルツブルクの勝利。
それも、あの最強メンバーが揃ったバイエルンを終始圧倒しまくった文句なしの完勝です。
試合後、グアルディオラから「これほどインテンシティの高いサッカーは見たことがない」「シュミットはサッカー界にとって待望の人材」と言わしめたほどインパクトのある試合でした。
さらに、その年のヨーロッパリーグでアヤックスをホーム、アウェーともにフルボッコにしたのは衝撃的でしたね。
シュミットの戦術的特徴
それでは、グアルディオラも驚いたシュミットの戦術的な特徴をピックアップしてみます。
「攻撃も守備も非常識」な彼の戦術の中から、まずは守備面から見ていきます。
■守備戦術の特徴
・DFラインはセンターラインまで押し上げる。
・サイドにボールがあるときは逆サイドの選手もボール側に寄せて、超コンパクトな超密集プレスでボール狩りをする。
・相手陣内にボールがあるときは、選手全員(SBも含む)がリスク承知の前進ハイプレスをかける。
・自陣エリアに攻め込まれても直ぐにリトリートはしない。
・4バックの相手には4トップの形でプレスをかける
・相手CBがボールを持ったときは2、3人で奪いにいく。
簡単にいうとこんな感じとなります。
簡単にいうとこれだけですが、
その守備戦術の迫力がとんでもないのです。
ハイプレスからのショートカウンターといえば現代サッカーの主流ではありますが、シュミットが率いるチームの場合、そのハイプレスの強度が半端ではありません。
シュミットいわく「相手がボールを持っている時は全員でボールを“狩り”に行く。猟犬を使って1匹のウサギを仕留めるように」という野蛮ともいえるスタイルです。
実際の試合(バイエルン戦)でも、下の画像のように選手が集まり過ぎにも見える密集プレスを決行しています。
※白いユニフォームがレッドブルザルツブルク。サイドのボールに8人で囲みにいっていますね。
このように「前へ前へ」「寄せて寄せて」の密度の高いハイプレスで全員でボールを奪いにいくのがシュミットスタイルです。
■攻撃的特徴
つぎに攻撃的特徴をピックアップしてみます。
守備もやばいですが、攻撃はもっとやばいです。
・システムは2トップにトップ下を2枚並べる4-4-2(4-2-2-2)
・中央に人を寄せた密集プレスでボールを奪い、その勢いのままゴールまでの速攻をしかける。
・中央に集まった選手間で1タッチ、2タッチのパスをつなぎ、密集した選手の圧力でゴールを襲う(途中でパスをカットされても密集した集団でボールを奪い、その勢いでゴールへ向かう)
・バックパスや横パスをつかう頻度は少なめ。
・ロングボールを多用して落下地点に人を集める。そしてセカンドボールを拾える確率を上げて攻撃につなげる(拾えないときは密集した状態からプレスをかける)
・ロングボールから拾ったボールは前線4人のコンビネーションで速攻をしかける。
このように「ハイテンポ」で「ハイプレス」をしかける力ずくのスタイル、ドイツ国内では「パワーフットボール革命」と呼ばれたスタイルがシュミット流のサッカーとなります。
彼が率いてきたレッドブルザルツブルク、レヴァークーゼンの試合を観ていると「普通のサッカーとは違う競技」を観ているような感覚になる瞬間があります。
ビルドアップとかゾーンディフェンスとか、そういったモノを必要としない「新しいフットボールの時代」が到来したような感覚を覚えましたね。
ロジャー・シュミットの戦術をウイクラで再現
■フォーメーション
・システム:4-2-2-2(2列目はOMF、ボランチはCMF)
・全体的にポジションを高めにする。
・2列目は中央に寄せる。
・ディフェンスラインは限界まで上げる。
■戦術設定
戦術 | |
---|---|
攻撃タイプ | カウンター |
ビルドアップ | ロングボール |
攻撃エリア | 中央 |
守備タイプ | フォアチェック |
プレッシング | アグレッシブ |
攻守レベル | 超攻撃的 |
戦術オプション | |
---|---|
ポジショニング | 流動的 |
サポート距離 | 近い |
攻撃人数 | 多い |
追い込みエリア | 中央 |
ディフェンスラインの高さ | 高い |
コンパクトネス | 狭い |
守備人数 | 少ない |
オフサイドトラップ | OFF |
守備戦術のポイント
まず、戦術設定の項目は「超密集ハイプレス」を再現するために「フォアチェック」「アグレッシブ」でハイプレスを狙います。
戦術オプションでも守備戦術を徹底するために「追い込みエリア:中央」「ディフェンスライン:高い」「コンパクトネス:狭い」のハイプレス時の基本設定にしておきます。
ここまでは普通のハイプレス戦術と同じですが
ここからがシュミット流の戦術設定となります(思い込み)
まず、攻撃面に関わることですが「サポート距離:近い」にします。
そして「攻撃人数:多い」にします。
そして「守備人数:少ない」にします。
さらに2列目の選手(OMF2人)を中央に寄せます。
とどめに「攻守レベル:超攻撃的」にしておきます。
もしかしたら「どうして攻撃面の設定が守備に関係するの?」という方もいらっしゃるかもしれませんので、この戦術設定の狙いを説明します。
攻撃時、なるべく高い位置に選手間が狭くなるような設定をする理由は・・・
ボールを奪われた直後の守備開始地点を密集させることが狙いとなります!!
※青がマイチーム、赤が敵チーム
最初の画像は通常の4-4-2、次の画像は中央に寄せた4-2-2-2
このように攻撃時も選手間を狭くすると、ボールを失った直後から人数をかけて囲い込み、密集プレスでのボール狩りをするチャンスが増えます。
※現在のウイクラでは守備ブロックの設定は「広い・普通・狭い」の3段階しかありませんので、自力で密集ブロックを作るしかありません。今後のバージョンアップに期待しております。
■実際のウイクラ画面で密集プレスを説明
これはボールロストした直後の場面です。
近くにいる選手2人が囲みにいくのがわかります。
さらにエゲツないのが下記の場面。
ゴール正面のエリアで4人(1人見えにくいです)が囲んでのボール狩りです!
ここでボールを奪えれば、崩す手間もなくシュート1本で決まります。(動画でもシュートまではいけますが、GKに止められています)
このように攻撃戦術も「密集」を徹底することにより、通常のハイプレス設定よりも強烈な囲い込みプレスが再現できました。
攻撃戦術のポイント
高いディフェンスラインで超攻撃的な設定をしているため、中途半端な位置でのパスミス、ボールロストは危険です。
その点、この戦術では「ロングボール」にしているため、自陣ゴールに近いエリアでボールを失う確率が減ります。
そして、ロングボールを「4人の前線選手が集まっている中央エリア」に放り込むことにより、セカンドボールを拾える確率が上がります。
シュミットがインタビューでも答えていましたが「通常、ボールを拾える確率はフィフティ・フィフティになるロングボール戦術を7:3ぐらいの確率に上げる」ことが狙いとなります。
また、ロングボールの場合は「攻撃エリア:サイド」にすることがウイクラでは推奨されていますが、この戦術の場合
中央にぶち込みます。
サイドのときは「サイドに放り込む→クロスを上げる→ゴール」という手順になりますが、中央の場合は「中央に放り込む→ゴール」と手順を1つ飛ばせるのもメリットです。
当然、毎回上手くいくわけではありませんが
■危険なエリアでボールロストをする確率が減る
■最短距離でシュートまで狙える
のは、特に戦力差が上の相手の場合は大きなメリットとなりますね。
実際のウイクラ画面ではこうなります。
ボールの位置がわかりにくいですが、落下地点に密度の高いブロックを作ることにより、高い位置で奪える機会が増えています。
■攻撃時のコンビネーション
高い位置でボールを奪った後は2トップ+トップ下2人のコンビネーションで一気に攻め込みます。
ワンツーでのシンプルな崩し、2列目の選手が追い越したところにスルーパス、サイドバックも絡めた厚みのある攻撃など色々な攻撃パターンが見たい方にはオススメの戦術です。
自陣エリアからのビルドアップはロングボールが多いので単調ですが、相手ゴール前では華やかな攻撃が楽しめますね。
ロジャー・シュミット戦術まとめ
現在は中国プロサッカーリーグの北京国安を率いているロジャー・シュミット監督。
レヴァークーゼンでは就任1年目から好成績を残していたのですが、3年目の不調はとても残念でした。
素人目線ですが、彼の戦術は「誰か1人が手を抜いたらハイプレスが空回りしてしまい、そこから一気に崩壊する」というタイプのギリギリの戦術だと思います。
チームの成績が良いときは選手達もハイテンションで迷いなく監督の戦術を遂行できると思うのですが、成績が思うように伸びず、選手達の中に迷いが生じたことによる失速なのかなと思ったりしました。
でも、このまま中国で頑張るのではなく、もう一度、欧州の舞台で彼の戦術を楽しみたいと本気で願っております。
個人的には、肉弾戦が持ち味のプレミアリーグ、それもわがままをいう選手が少ない中堅どころのチームでしたら、ロジャー・シュミットの破壊的で魅力的なフットボールが生きるのではと思います。
■ロジャー・シュミット風戦術の試合動画
野蛮で攻撃的なパワーフットボールを楽しむため、戦力差が低い相手を選びました。
フルボッコにしております(`・ω・´)ゞ
レットブルザルツブルクVSバイエルンの親善試合の動画はこちら
■ハイライン&ハイプレスで攻めまくりたい方にはコチラの戦術もおすすめです!